押入れ収納の常識を覆す!和室をすっきり見せる秘訣
和室にある押入れは、日本の住まいにおいて非常に重要な収納スペースです。布団をしまうのはもちろん、季節の家電や衣類、思い出の品など、さまざまなものをまとめて収納できる便利な場所。
しかし、その深い奥行きや、広々とした空間ゆえに、「奥のものが取り出せない」「気がつけば物でパンパン」「結局、開かずの扉になっている…」といったお悩みもつきものです。特に、現代の住空間では、和室がリビングの一部として使われたり、客間として機能したりすることも多く、押入れの中がごちゃついていると、和室全体の印象まで損ねてしまいます。
今回は、そんな和室の押入れ収納の常識を覆し、すっきりと機能的に見せるための秘訣を、私がおすすめするキャスター付きのコンパクトな収納家具を交えながら、たっぷりご紹介します!
和室の押入れが「片付かない」と感じるワケ
なぜ和室の押入れは片付きにくいと感じるのでしょうか?主な原因は以下の3つです。
- 「とりあえず」の置き場になっている:和室が多目的に使われるため、一時的に物を置く場所として押入れが使われがちです。これがごちゃつきの始まり。
- 空間が広すぎて分類しにくい:広い空間は一見魅力的ですが、仕切りがないと物が散乱しやすく、どこに何を置くか定位置が決めにくいのが難点です。
- 深い奥行きを活かせない:一般的な押入れの奥行きは80~90cm。手前に物を置くと奥が使えなくなり、デッドスペースが生まれてしまいます。
これらの問題を解決することで、和室の押入れは劇的に変化します。
和室の押入れを「すっきり見せる」3つのステップ
和室の押入れを美しく機能的にするためには、以下のステップで進めるのが効果的です。
ステップ1:現状を把握し、「不要なもの」を手放す
どんな収納術も、まずはここからスタートです。
- 全出しする:押入れの中のものを全て外に出しましょう。想像以上にたくさんのものが入っていることに驚くかもしれません。
- 「要・不要」で分ける:
- 「不要」:今後使わないもの、壊れているもの、もう必要ないものは思い切って処分します。
- 「必要」:使うものだけを残します。
- 分類する:残すものは、「布団」「季節家電」「衣類」「趣味の道具」「書類」「思い出の品」など、用途や種類ごとに大きく分類します。
この「厳選」の作業が、押入れをすっきり見せるための最も重要な一歩です。
ステップ2:押入れ内の「ゾーニング」を決める
物が分類できたら、次に押入れのどこに何をしまうかを決めます。和室の押入れは、大きく上段と下段に分かれています。
- 上段:軽いもの、季節物、年に数回しか使わないもの(オフシーズンの布団、来客用寝具、軽いバッグ、季節の飾り物など)。目線より高い位置なので、あまり頻繁に出し入れしないものを置くと良いでしょう。
- 下段:重いもの、かさばるもの、キャスター付きで引き出したいもの(普段使いの布団、季節家電、防災用品ストック、ストック品など)。湿気がこもりやすい場所でもあるので、通気性を確保する工夫も大切です。
さらに、奥行きがあるため、手前には「よく使うもの」、奥には「あまり使わないもの」と、使用頻度で場所を分ける「奥行きゾーニング」も意識しましょう。
ステップ3:「狭い」を克服する賢いアイテム選び
ゾーニングが決まったら、いよいよ収納アイテムの導入です。特に、キャスター付きのコンパクトな収納家具は、和室の押入れの「狭さ」と「奥行き」という悩みを同時に解決してくれる強い味方です。
和室の押入れにぴったり!キャスター付きコンパクト収納家具
- キャスター付き押入れチェスト/ワゴン
- 特徴:押入れの奥行きに合わせて設計された、引き出し式のチェストやオープンワゴンです。キャスター付きなので、奥の物もスムーズに引き出せます。
- 「すっきり見せる」ポイント:中身が見えない引き出しタイプを選べば、衣類や細々とした生活用品を隠して収納できます。見た目が統一されることで、押入れ全体がすっきりとした印象になります。
- 選び方:押入れの幅と高さを測り、ぴったり収まるサイズを選びましょう。引き出しの数や深さも、収納したいものに合わせて選ぶことが大切です。
- キャスター付き押入れハンガーラック
- 特徴:押入れ下段や中段に設置できる、コンパクトなハンガーラックです。和室で洋服を収納したい場合に非常に便利です。
- 「すっきり見せる」ポイント:畳むとシワになる衣類や、普段使いのジャケットなどを「吊るす収納」にすることで、出し入れが格段に楽になり、見た目も整います。キャスターで手前に引き出せるため、服選びもスムーズに。
- 選び方:耐荷重を確認し、掛けたい服の量に合ったものを選びましょう。パイプの高さが調節できるタイプだと、収納する衣類の長さに合わせて効率よく使えます。
- キャスター付き布団収納ラック
- 特徴:かさばる布団を立てて収納できる専用ラックで、キャスター付きのものが多く出ています。
- 「すっきり見せる」ポイント:押入れ下段の大きなスペースを占領しがちな布団をコンパクトに立てて収納することで、空いたスペースを有効活用できます。キャスターで簡単に引き出せるため、布団の出し入れも苦になりません。
- 選び方:収納したい布団のサイズや枚数に合わせて選びましょう。スチール製やワイヤー製など、通気性の良い素材を選ぶと湿気対策にもなります。
- キャスター付きすのこワゴン/台車
- 特徴:シンプルなすのこ状の台車にキャスターが付いたものです。上に収納ボックスや季節家電などを置いて使います。
- 「すっきり見せる」ポイント:重いものや、時々しか使わない家電などを載せておけば、奥にしまっても簡単に引き出せるため、デッドスペースがなくなります。通気性も確保できるので、湿気対策にも有効です。
- 選び方:載せるものの重さやサイズに合った耐荷重のものを選びましょう。
和室の押入れをさらに「すっきり見せる」ためのコツ
- ラベリングを徹底する:中身が見えない収納ケースには、必ずラベリングをして何が入っているか一目でわかるようにしましょう。家族みんなが共有できることが、散らからない秘訣です。
- 「とりあえず」の場所を作らない:使ったものは必ず元の場所に戻す「物の住所」を決めておくことが重要です。これにより、物の散乱を防ぎ、常にすっきりした状態を保てます。
- ゆとりのある収納を心がける:押入れ全体をギチギチに詰め込むのではなく、2割程度のゆとりを持たせることで、物の出し入れがスムーズになり、結果的に使いやすく、すっきり見えます。
- 定期的な見直し:物の増減やライフスタイルの変化に合わせて、定期的に押入れの中を見直しましょう。年に数回、衣替えの時期などに合わせて行うのがおすすめです。
- 扉を工夫する:もし可能であれば、観音開きの扉を外し、ロールスクリーンやプリーツスクリーン、おしゃれなカーテンに変えるのも一つの手です。開閉のストレスがなくなり、和室の雰囲気に合わせて見た目をカスタマイズできます。
まとめ
和室の押入れは、ただの収納スペースではありません。「すっきり見せる」工夫をすることで、和室全体の印象を格上げし、より快適で心地よい空間へと生まれ変わらせることができます。
「狭いから仕方ない」と諦めていた方も、今回ご紹介した「見直し」「ゾーニング」「賢いアイテム選び(特にキャスター付き)」のワザをぜひ試してみてください。
あなたの和室の押入れが、まるでプロが手掛けたような、美しく機能的な収納空間になりますように!